メタバースの問題点
良い点をいくつか挙げてきましたが、ここで問題点にも触れてみたいと思います。
操作性
キーボードとマウス操作を主体とする多くのメタバースは、特にゲームなどのコントローラ慣れしている日本人には抵抗があるかもしれません。キーボードは文字のタイピングに特化して作られており、マウスも対象物のポイントに目的があります。慣れてしまえばキーの多さから操作速度は悪くないのですが、やはり直感的な操作とは違うかもしれません。
また、Playstation Homeなど操作がコントローラ主体のメタバースがでてくると、より直感的な操作が可能になり今後はコントローラも併用できるメタバースが増えてくるかもしれません。
インターフェース
メタバース内部でのメニューやチャット、物づくりなどの操作系のことです。セカンドライフにおいてはメタバース内で出来ることが多い分、メニュー項目が多すぎて使いこなすのはかなりの労力を要します。また日本語化がまだ部分的なため、やはり英語力も必要になってきます。ただクライアントもオープンソース化されていますので、今後徐々に改善されるとは思います。
また和製メタバースにおいては、言語は元々日本語ですし、直感的にわかりやすいアイコンなどを使用して初心者にも配慮したつくりになっているようです。例えば何か物を部屋に置く場合、セカンドライフのように一から形を考え創造するというより、用意されたものから簡単に選べるようなスタイルが多くなると思われます。
安定性
人気の空間にはアクセスが集中し不安定になります。テレビで取り上げられたWebサイトにアクセスが集中しサーバーが落ちるということがありますが、メタバースの場合3D仮想空間であり、処理されるデータ量がWebサイトの比ではありません。現状では安定性はWebサイトのほうが遥かにいいでしょうね。
これは各メタバースの空間の作り方によるとは思いますが、技術の進歩により徐々に解消していくでしょう。セカンドライフやスプリュームのように各自で好きな空間を構築できるようになると、理想の空間とサーバーのスペックおよびムダを省く負荷軽減の3つをバランス良く考え構築していくことが必要になるでしょう。
安全性
3D仮想空間であるので、表現力が増せば増すほど素晴らしいものも増えてますが、逆に目を覆いたくなるような行為や物体を目にする場面がないとは言い切れません。それはメタバースが自由であればあるほどそういった望まない場面に出くわす可能性が上がるということです。これはメタバースを管理する企業などがどういったルールを作っていくかによるでしょう。
また仮想通貨の換金などが今後現実味を帯びてくると、金銭的な安全性も問われます。クレジットカード登録情報の搾取やID・パスの盗難、またメタバースに没入しすぎることによる過剰なローンなども今後でてくるかもしれません。これもメタバースを提供する企業の安全管理にかかってきます。こういった点も考慮して適切なメタバースを選ぶようになってくるでしょう。
要求スペック
PCプラットフォームのメタバースに要求されるスペックは、かなり高いです。全体的な3D描画が簡潔で軽いメタバースだとしても、やはり人が多く集まる場所で快適にプレイしたければ、かなりのCPU処理、画像処理能力が必要です。
ただ、テレビやDVDをPCで観ることもごく普通になってきており、こういったPCはノートPCであっても標準でグラフィックボードを搭載していたり、CPU処理能力がデスクトップ並であったりします。youtube等、動画共有サイトの興隆もありますし、人々のニーズからも画像処理能力の高いPCが一般的になっていくのではないでしょうか。
目的意識
メタバースは、「こんな場所に行きたい!」「こんな物を作りたい!」「人とどんどん出会っていきたい!」という、目的意識がはっきりとある方たちにはかなり良い世界でしょう。ただ、ゲームのようにシナリオや敵の設定に慣れていたり、「別にそこまでしたいっていうのも・・・」という少し受身な方にとっては逆に辛いかもしれません。
メタバースで「これをしなさい」というのは、そもそもメタバースではなくなってしまうのですが、特に初めてこういった世界に触れる時にガイドしてくれる仕組みがあると大分違ってくると思います。誰しもが目的意識が強いわけではないですし、そもそもそこまで主体的な人のほうが少ないでしょう。
たまたま良い友達に出会えた人はいいですが、孤独に操作にも戸惑い行きたい場所すらイメージがつかない・・・という方が楽しいと思うはずもありません。
これもメタバースを提供する会社がどのようにガイドする方針を持っているかが重要です。また、それに対し意見を出せ、汲んでくれるような仕組みがあるかどうか。さらにはお気に入りのメタバースであるならば、困っている人には自分達でガイドしてしまおうという意識もまた大切です。